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映画「ダンケルク」

映画「ダンケルク」の好きだったところ

・カタルシスがなかったところ
・登場人物の名前がほぼ出なかったところ
・夢に見たくない映画ナンバーワン
・砲弾や砲撃がとにかく怖い
・緊張が絶え間なく続く
・放置された病人の担架を担いで知らない兵士と救助船へダッシュするところ
・その救助船から追い出された直後、救助船が砲撃され沈んでいく時の、運び込んだ病人のカット
・生き抜こうとして何度も失敗して元いた場所に戻されるところ
・一緒に死線を抜けてきたギブソンを最後に助けられなかったところ
・体験したことのない痛みや恐怖に、映画を通して引きずりこまれる感じ(肉体感覚の強さ)
・時間軸がバラバラであることに最後まで気づかなかった
・飛行機の戦闘シーン(人を殺しているという感覚のなさ)
・助かった人間たちにある「見殺しにした意識」に比重が置かれてたところ
・死の悲愴さが安全地帯からみる感傷だと冷たく突き放す感じ
・人が死ぬ描写に傷つくことができたのは序盤の5分くらいだった
・ろうそくの火が消えるようにあっけなくパタパタ人が死んでいく様子
・徹底して無慈悲だった




映画「ダンケルク」嫌いなところ

・物語の要所で出てくるボルトン海軍中佐のカッコつけ方
・説明がないからついていくのに必死
・事故や戦闘ではない場所でも生き残るために人を殺そうとする人間の醜さ
・ジョージの死
・最後の明るく晴れ晴れとした音楽


圧倒された。
脳みそが押しつぶされた。
切実さに欠けた映画を観たあとだということもあるのか、度肝を抜かれた。
どんな切実さがあればこうも力がみなぎる作品が作れるのか、しかも戦争映画で!
この映画の素晴らしさは「観るものにカタルシスを与えないこと」に尽きると思う。
勇敢な戦闘も、奇跡の救出劇も、出来合いの友情も、「ああよかった!」と思わせない無慈悲な作りになってる。
そぎ落とされたセリフと轟音だけで戦争の緊張が観客のものになる。
何度も何度も生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされて、故郷へ帰ることにこだわって帰ってきたのに、「我々は戦い抜く」と新聞に言わされる。
すげえー、どうやればこんな映画作れるのかわかんねえー、すげえなあー!
すごい映画を観てしまったので語彙力を奪われてしまいました。
クリストファー・ノーランすごい。
すごすぎて意味わかんない。

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by mouthes | 2018-02-23 00:08 | Movies&Books
映画「リバーズ・エッジ」で好きだったところ

・るみちんと観音崎くんの90年代感、幼さ、短絡的なところが表情を通して伝わって来たところ
・特に観音崎くんの顔つき
・るみちんのムチムチしてエネルギーが溢れる体とそこから繰り出されるサスペンスのなまなましさ
・二階堂ふみちゃんの裸と喋り方
・吉沢亮くんの実写とは思えないくらい美しい横顔
・釣りをしていた2人組の片一方がアメカジ具合といい喋り方といいさまぁ〜ずの三村さんにそっくりで、なんならもう一方にも大竹さんを意識してほしかったところ
・こずえちゃんの赤い口紅と赤くてダブダブのニット
・猫のかわいさ
・るみちんのデブのお姉ちゃんの演技(お姉ちゃんが登場した時の映画館の失笑がお姉ちゃんの惨めさとリンクしてしまってひどく残酷だった)
・エンディングとともに流れる小沢健二の「アルペジオ」(確実にあれから20年後の音楽として、リバーズ・エッジの汚れた川にとっての再生の海として響き渡っていた)
・「この頃は目が見えないから、手を握って友よやさしく」と50近い小沢健二が歌うところ




映画「リバーズ・エッジ 」の嫌だったところ
・「リバーズ・エッジ 」のフォントがダサすぎる
・劇中に挟まれる、登場人物たちに対する謎インタビューの質問の、あまりの陳腐さ(「あなたにとって愛ってなんですか」「生きていきたいと思いますか」などなど聞くに堪えない)
・「愛」だの「生きる」だのを安全地帯に生きているおじさんがキリキリした若者に聞いているという構図
・それに応える「生きていきたい」というセリフ
・おじさんが若い子になにかを言わせたがってる感
・ホテルに行ったあとハルナが観音崎くんに「観音崎くんていいよね、悩みとかなさそうで」というセリフ
・それが言えちゃうハルナだったらさっさと観音崎くんと別れられるだろ
・田島カンナが燃えた死体を見た時の、山田くんの笑み
・そこで笑うのが吉川こずえならわかる(山田くんは無感動を貫くべきでは)
・田島カンナが泣きわめくシーンがなかったこと
・所々では印象的で美しい場面に心奪われたけど、つなぎの流れていく描写の圧倒的VTR感(再現ドラマ感)
・パンフに載っていた監督インタビューの見出し(誰もがみんな、River‘s Edgeに立っている)(は?)
・役者自体に90年代感はあまりなかった(顔の造形も表情もあまりに洗練されていた)


嫌いなところが嫌いすぎて良い印象ではない映画ですが、
役者たちの演技や肉体は言語に絶するほど美しく、
監督や脚本の年齢が如実に現れてしまったことが悔やまれる、というのが感想です。
どうしても10代の子供達には見えなかった。
それは10代を思い出せない人たち、10代が美しい思い出になっている人たちが作ったからだと思う。
幼さ、危うさ、脆さではなく、予定調和が優っていました。
だからこそ「アルペジオ」は美しく響いた。
あれはかつて若者だった人の、老いを知った人の鮮やかさ、美しさ、現実離れした現実として見事に調和していたと思います。
こう書くと褒めすぎにも見えるけど、インタビューなどからこの主題歌は小沢健二がラッシュを観た後に作られたものだと知って、
正しく、と腑に落ちたのです。
この曲が生まれるために映画があった、そういう必然性を感じる美しさだったのでした。

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by mouthes | 2018-02-22 15:47 | Movies&Books