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皆殺し文学はやめだ

by mouthes

軽いジャブ

hon・ninという文芸誌の「改めて!本谷ちゃん」という連載があるんだけど、これの3話でほんとにへこんだ。
ずっとへこんでた。

もともとこの連載、1話から悲しくなるほどの自意識過剰、虚栄心の嵐。
だけど私はほんとに、自分の片割れくらいの共感を抱いてて。
こういったしょうもなさはあたしの中に確実にある。
本物じゃないんだもの。
かっこよくないんだもの。
だらしないし、しっかりしてないんだもの。
美学のために何かを貫き通すこともできないし、そもそも貫くほどの美学がない。
鋭い感性もなければ、独自の視点もない。
何もかもが物まねでうわべ。

小さい頃、たくさんの欲求がそのままあったときの感覚は憶えてる。
あれが多分本来の自分だと思う。
そして妄想と欲求が肥大し続けて現実なんて見えてない、あの感じ。
今でもそう。
心から相手のことを考えることができない。
自分から抜け出せない。

「優しくなりたい」と言いながら平気で人のことを罵る自分がいる。
「私なんて」と卑下しながら「こいつよりは」と嘲る自分がいる。
こんな心に美しさなどわかるはずもない。
哲学など知る由もない。

小谷美紗子さんの「自分」という歌は、そんな自分の気持ちを浮き彫りにした。

勘違い。
冷たい言葉だ。
したくねえなあ。
なあ、いいやつでいてえ。
良くなりたいよ。
自己満足。
怖い台詞だ。
言いたくねえなあ。
でも誰がその判断をするんだろう。
あたしは、善良でいたい。そんで、劣悪なままだ。
by mouthes | 2007-03-19 03:06 | footmarks