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皆殺し文学はやめだ

by mouthes

便所の落書き

便所の落書きって、ある種の異次元のようで、あたしは結構好き。

雑多で、卑猥で、滓や臭気に満ちた感じ。
そこに書いてある誰かの名前だったり、直接的な下ネタだったり、電話番号だったり、とりとめない不満だったり、
そういうものに好感を持つわけじゃないけど、
憎めない情けなさとか、行き場のなさが、結構好きなのだ。

あたしが生活する日常では、そういったものが確かにあるにも関わらず、
ことごとく排除されるか、見てみぬふりをされていると思う。
性や、不満、やるせなさなんていう、きっとその人の考えや存在を支えているはずの何かが許されていない感じがする。
でも、許されていないことが問題なのではなくて、感じられないことが問題なのだ。

あたしは便所の落書きに参加できない子供だったから、
そういうものに少し憧れているのかも知れない。
正当性も責任もない、猥雑で、あらゆる脈絡を断ち切られた意識の「点」に限りなく近いもの。
でも多分、その落書きを書いてるときのその人の頭の中って、そのことでいっぱいなんだよね・笑
てことは、ある意味悟りに近いところだってあるはずなんだよ!
頭の中が空っぽなのに、そのことだけがある、みたいな。

インターネットなんかよりよっぽど匿名性が強いし、何より生気がある。
そして正義や責任からも自由で、尊厳を持つことが許されない!
こんな世界は便所の落書き以外はありえない!
ただし便所以外でそういうことしたら、「便所の落書きである」なんて揶喩されるのもしかたがないのか。
まあ、いいか、別に。
あたしが言われたわけじゃないし。
でもなんだって、悪いことばかりじゃないでしょ!
by mouthes | 2009-03-09 13:47 | moments!