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皆殺し文学はやめだ

by mouthes

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濱田岳くんの色気

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作品名みなさん、さようなら
監督名中村義洋
面白かった!
一人で観ても、誰かと観てもいい。
友達と二人で観たけど、笑って、手に汗握って、でも「くっだらねー」なんて言いながら、
充実の2時間だった。


死ぬまで団地で生きて行くことを決めた濱田岳くん。
団地から出そうとする先生。
見守る母。
思わせぶりな隣の同級生。
憧れの可愛い女の子。

日本の片隅、世界の縮図。

笑えるようで笑えないのが、こんな風に半径2kmくらいが世界のすべてのように思っている人は結構いるように思うから。
というか、私たちが本気で理解したり把握したりしようと思ったら、2kmだって広すぎるくらいだ。

私は、「新規開拓」が苦手だ。
居心地のいい場所が一つあればそれでいいし、そこが無くならない限り、新しい場所を探す必然性がないとさえ思う。
お金も時間も元気も有限で、あんまりつまらない思いはしたくない。
要は、欲張りでものぐさなのだ。
私の場合に限るけど。

それでなくとも、傷つきたくなくて自分を守るために自分の中にこもる人は多い。
主人公にとっては、自分=団地だっただけ。
団地の中には自分を傷つける人間はいない。
いや、この場所の平和を乱すやつがいたら、おれがやっつけるんだ。
そのために強くなるんだ。
そういう典型的な「男子の倒錯あるある」が物語の原動力。

昔、兄に「男の子には、『君を守りたい』スイッチみたいなものがあるんだよ」と言われたことがある。
「守れもしないのに?」と言ったら、「そう、守れもしないのに。あれなんなんだろうね」と言っていた。


でも、もしかしたら、そうやって倒錯する中で、男の子は強くなって行くのかもしれない。
倒錯の中で、強くなるための「必然性」を手にいれるのかもしれない。
「誰かのために」って本気で思えるのは、何も見えていないからこそなのかもしれない。

主人公は、「団地に住むみんなのことが知りたい」と言いながら、
隣りに住む女の子、4年付き合った婚約者、果ては生まれた頃から一緒に暮らすお母さんのことさえ分からなかったわけだけど、
「ここぞ」ってときに大見得を切って強くなれたんだよね。
意地が張れたんだよね。

自分のことなんか一つもわかってくれないし、
極端なことばっか考えるし、
冗談のひとつもいえないつまんない男の子なんだけど、

こういうとこ見せられちゃうと、「かっこいいなあ」って思わざるを得ないんだよね。
そして、濱田岳くんにはそう思わせる色気と説得力がある。
不思議なことに。

良い映画でした。
あと女の子がみんなかわいい。


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by mouthes | 2013-08-02 00:56