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皆殺し文学はやめだ

by mouthes

狭い部屋にいた頃

中学高校のとき、わたしはどうしてあんなに苦しかったんだろう。
学校にいた時間のことをあまり思い出せない。
いじめられていたわけでなし、何かを強制されていたわけでなし。
でも毎日が締め付けられているかのように苦しかった。
爆発を押さえ込んでいるような、火照る体をずっと水風呂に浸からせているような、
そういう抑圧が全て学校への嫌悪に繋がっていたような、
そんな気がする。
行き帰りに聴く音楽だけが楽しみで学校へ行っていた。
何せ往復3時間だ。




話せる人はいた。
6年も同じ学校に通っているんだから、
1学年分くらい顔も名前も一致する。
人と形もなんとなく知ってる。
親しくはなくても身内だ。
朝8時から夕方16時まで一緒にいるんだから、述べ時間で言ったらきっとほとんどの人が家族よりも長い時間一緒にいる。
上辺だろうと本音だろうとそれは変わらない。
仕事で一緒にいるわけじゃないんだから、取り繕っているならそれがその人の本性だ。
だから学校は、結構怖いところだなあと思う。






「友達なんていない」と言い切っていた。
親友は学校を辞めてしまった。
面白い人はどんどんいなくなる。
自分は取り残される。
こんなにつまらない場所に。
窒息しそうなほどつまらないこの場所に。

楽しそうにしてる奴らも、ひとりも友達なんていない。
思ったことも言えずに、押し込められている場所でしかたなく一緒にいるだけだ。
私はそんなことはごめんだ。
自分で自分をつまらなくするようなことはしないんだ。
私は私の人生を楽しくするために生きている。
妨げるものは敵だ!



どうしてそんなに思いつめていたんだろう。
「息の仕方を知ってるなんて奇跡だぜ」と言わんばかりに。
思い通りにいかないことに一生懸命怒っていた。
今は、そんなことしないもんなあ。



人を閉め出した狭い部屋で、壁に向かって叫ぶような、そんなこと。



大きく息が吸いたいなら、外に出て深呼吸でしょ。

人の部屋に行っても、人を部屋に入れても、
その人の全てなんてわからない。
わからないまま分け合って、わからないまま受け入れるんだ。
快楽も痛みも愛情も憎悪も、わからなさの中で通り過ぎる。
感謝と羞恥だけが残る。
来てくれてありがとう。出会ってくれてありがとう。
自分がバカで恥ずかしい。もっとうまくできたらなあ。

確かめようのない「ほんとう」や、形だけの「ただしさ」を、追い求めたり押し付けたりして何になるんだろう。
結局違いが浮き彫りになるだけだ。

私は肯定したいのに、そこからどんどん遠ざかる。

好意的に、とか、善意で、ていうのでなくて、
素直にすでにそこにあるものを受け入れたいのに、
それを真実やら正義やらという言葉にすると、
どんどん遠ざかる。



違うけど、良いんだ。
それは、非常に良いのだ。
私はもう、人を裁きたくない。
by mouthes | 2013-11-29 12:59