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皆殺し文学はやめだ

by mouthes

わからなくてもいいんです





星野源の「化物」がだいすきだ。
すごく強い歌だと思う。
私の周りでは、星野源のファースがいちばん好きって言う人が多いけど、
私はサードが好き。

戦って、戦って、それを見せずに表舞台に立つこと。
負けて、負けて、それでも勝ちにいくこと。
そのことの喜びと快感がサードにはある。
根っこにあるみじめさと、湧き上がる喜び。

悲しみや、傷や、苦しさが、自分の体の一部になって、中から煌めくこと。
奈落の底から、次の僕が這い上がるぜ。


ファーストに通底する鈍い頭痛のような、起きぬけのけだるさのような、
答えの出ていない感じがいいのもわかる。
あのもやもやが答えだって思うのかもしれない。
否定しない態度も強さだ。
思えば、このアルバムが出る前から、星野源は強い人だった。

でも、サードにはそこをくぐり抜けて飛び出す、すごく積極的な強い意志があって、
それは欲しいものを取りに行く道行き。
どちらかを選ばなくてはいけないときがある。
避けようのない別れがある。
自分には理解できない悲しみがある。
抑えきれない欲望がある。

そのときに、どんなに痛くても「こっちだ」って言う、言えることが本当の強さだと思う。
ぐっとくる。
憧れる。





そうかー、

全部を分かってもらう必要なんてないんだな。

あたりまえだけど。

見せる場所や、見せる部分は、選んだって別に嘘じゃないんだな。
それが気遣いややさしさだとかっていうのじゃなくて、
伝えたいことをより伝えるための手段だもんな。
全部出したら、要素がばらばらで違いすぎて混乱するだけだもんな。
全部出せるっていうのはそれだけで甘えだし。
慎み深いっていうのは、見てくれだけの話じゃないですよね、神さま。

どの場面にも、持っていける自分がある。
言語化できないのが不安だけど。
今度は人から与えられた言葉じゃなくて、
自分で考えた自分で人と向き合おう。
自分で感じたものを人と分かち合おう。

そう思いながら、
望んだものが手に入らないことが、ずっと苦しい。
苦しくてみじめだ。
楽しいことをさがしあるいて、祈って、喜んでいるのに、
時折すごくみじめだ。
どうしてだろう。
こんなにいろんなものがあって、私は愛されていて、
足りないものなんてないはずなのに。
いつまで続くのかなあ。
こんな風に思うこと、久しぶりだなあ。
by mouthes | 2013-07-10 22:20 | footmarks