皆殺し文学はやめだ

by mouthes

最高の離婚

f0112996_23243661.jpg





「最高の離婚」の第4回、クライマックスで涙は出るわ声は出ないわ。
坂元裕二さんすごすぎるわ。
「それでも、生きていく」でも打ちのめされたけど、
現代劇の最高峰なんじゃないのか。
これをただのエンターテイメントって切り捨てられる人いるのか。
もっと大きな声で褒められていいと思うんだけどなあ。
ただの「あるあるドラマ」だと思ったら大間違いだよ。

山田太一さんはもっと人間の感情と距離を取った描き方をするけど、
この人はひとつのドラマの中でどんどん主観が切り替わって全体像が現れてくる。
それが一つの現代性なんだろうね。
山田さんが一枚絵ですべてを説明してくれる絵画だとしたら、
坂元さんは作品の中に観客を引き込んで完成するインスタレーションて感じだ。

もう一つの現代性としては、「自己完結 VS. the world」だよね。
スコット・ピルグリムじゃないけどさ。
モテキに出てくるような男が主人公になれる時代ですよ。
自問自答するヒーローが毎年生み出される時代ですよ。(そんなん戦う前に済ましとけっつーの)
そんなやつは一昔前では助演以下のエキストラだったというのに。
だって自分の中ですべてが終わってる人って何の事件も起こさないもん。
そもそも他者に語らないから、「言いたいことが伝わらない」っていう関係の中で苦しむことすらないんだよ。
いつだって「世の中は自分のことをわかってくれない」だけなんだもん。
ああもううんざりだ。
ブレイクブレイク。

本当の問題は、いつも変わらない。
伝わらないこと、分かち合えないこと。
死ぬまでさみしい気持ちが消えないってこと。
そして死ぬということ。
そんな中でも、心が触れること、満たされる気持ちになることが嘘ではないということ。

「わかってもらえない」ということは大前提であって主題にはなりえないし、
「自分が正しい」なんて言い方はお話にもなりません。文字通り対話になりえませんから。

するべきことは決まって、伝えるために力を尽くすことです。




だから、今回の尾野さんの台詞は聞いてて心臓が痛かった。

「いい加減認めたら!?あたしはずーっと前から気付いてるよ?
 あなたは、あたしのことなんか好きじゃないの!!自分しか好きじゃないの!」

この言葉の裏にある「好きになってほしい」って気持ちが、痛すぎる。
こんなの、これ以上ないくらい切実な告白だよ。
夫婦を描いて奥さんからこの台詞引き出すって、すごいよ・・・

一緒にいるだけじゃ満たされないんだよね。
一生は長いもん。
真木よう子じゃいられないんだよね。
わかっていながら2年もよく頑張ったよ。
あー涙が止まらなかった。
来週はやく来い。
[PR]
by mouthes | 2013-02-01 00:27 | Movies&Books