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皆殺し文学はやめだ

by mouthes

色即ぜねれいしょん

色即ぜねれいしょんを読み終えて、
私はどうして銀杏BOYZを好きになったんだろうと考えた。



銀杏BOYZを初めて聴いたとき、私は中学2年生だった。
興奮する兄を前にして、何がいいのか全然わからなかった。
銀杏BOYZのCDを初めて買ったとき、中学3年生になってた。

学校が嫌いだった。
わざと遅刻をして、駅ビルで時間をつぶして、
不定期なお小遣いのおかげでなぜかお金があったので、
思い立って銀杏BOYZを買って、聴きながら学校に行った。

私は男じゃなかったし、あまりに突飛でローカルな新設校に通っていたので、
援助交際をしていそうな女の子すら学校のどこを探してもいなかった。
おまけにまともに恋愛をしたこともなかった。
打ちひしがれてもいなかった。


ただただイライラしていて、自分が嫌で、周りが嫌で、友だちなんていないと思ってた。
誰もわかってくれないと思っていた。

だから、あれほど銀杏BOYZを好きになったんだろうか。

「女なんて嫌いだ」と歌いながら自転車をブッ飛ばしたのは、
夜中の2時にロッキンオンジャパンのライブ映像を見ながらぼろぼろ泣いたのは、
いったいなんだったんだろう。

でも銀杏BOYZがわかってくれるとは思ってなかったんだよ。
聞いたこともないような下品な言葉と、
ファンタジックな詩がアンバランスで素敵だった。
血を流しながら、ツバを飛ばしながら、自分の汗で滑って転びながら叫ぶ銀杏BOYZが、
誰よりも素敵に見えた。


「傷だらけで恥をさらしても生きるのさ」と叫ぶ言葉の意味を、
その時はよく知らなかった。
今ならわかる。
わけもわからず私を惹きつけていた言葉の強さ。
同じくらいの強さで私に問い続ける。

お前は向かっていけるか、自分と向き合うことと逃げずにいられるか。

峯田くんのように、なれるかな。
自分の感覚やしてきたことから逃げずにいられるかな。

色んな人を傷つけてしまった。
できれば忘れずにいたい。
もしその人がまた話しかけてくれたら、あの時のことを謝って、またよろしくと頼みたい。
また会えたその時、少しでもましになってるように、
かかわりたいと思ってもらえるような人になれたらいい。
まあそれは傲慢だな。
まずは謝ろう。
またよろしくと頼もう。
あたしはあたしで陽気に生きていよう。
裁かれる日まで。


銀杏BOYZが大好きだよ!
by mouthes | 2011-01-22 02:04 | Movies&Books