皆殺し文学はやめだ

by mouthes

「音楽の持つ尊厳を取り戻したい」

これは、くるりの岸田さんが、「魂のゆくえ」を作った時のスヌーザーで語っていた言葉!


Twitterのほうで、日々さらさらと議論が流れているのですが、
曽我部さん七尾旅人さんまつきあゆむさん、などを巻き込んで著作権のことが話題になっていた!
だいたいの人は目に入っていながら見ないふりをする類の、あやふやにしたい問題ですが、
こういう正面切った議論は面白いことこの上ないです。


まつきさん曰く、「聞きたい音楽に対価を払いたい人はちゃんと払ってくれるんだ!」

旅人さん曰く、「ここに書いたのは、コピーという不可避の事態を容認したとしても、後には綺麗なものが残ってるよね、という気づき。」

曽我部さん曰く、「著作権の問題は、蹂躙する場合と蹂躙される場合でずいぶん感覚が違う。ぼくらはそのどちらへも行き来してる。」


一部抜粋!


そう、一部抜粋であることは了承して頂くしかないのです。
これが各々の主張のすべて、または総括というわけではなく、私が一番重要だなあと思うところを抜粋したまでなのです。
だから、興味を持った人はTwitterでログをみてほしいです。面白いから!




「音楽を歓ぶ」ということについて少し書きたいと思う。
冒頭で引用した言葉が語る、「音楽の尊厳」て一体何なんだ?ってこと。

音楽を聴くってこと自体に、なんかとてつもない喜びがある、ということ。

それは、日々なんとなく耳にする、ただ親しみやすい、気持ちいいだけのメロディを聴くってことじゃなく、

会ったこともない人の思想や感情が音楽の中に詰まっていて、それを実感する喜び。
確かに自分が変わっていく、変えられていく快感なんだと思う。
そして、何かを表現するうえで、そういう喜び以上に大切なことなんて無いはずだと私は信じているんです。
岸田さんがしようとしていることは、そういう喜びを大勢の人が共有、実感できる音楽を作ることなんじゃないかと思って、
音楽家岸田繁の覚悟にぐっときた次第です。




そんでも、巨大なマーケットではそういう実感が隅っこに追いやられて、
音楽は「売れる」「売れない」みたいな基準でしか評価されず、
「売れる」と判ればその権益を守るために囲い込む。
私には、今、いわゆるジャスラックや大手レーベルのやっていることはそういう風にしか見えない。
かなり以前の話だけれど、とあるダンス教室が無断で楽曲を使っていたからと言って何千万という賠償金を取ったことがありましたよね?ジャスラックさん。*参考資料

音楽でする金儲けは下品だからやめろとか、そういう話ではなくて、

そういうものはあってもいいけど、いつでもどこでも権利意識ばっかりが前に出すぎてるから、
大勢の人が「大切なこと」を見落としてしまって困ってるんだよ!ってことなんです。

そりゃ、さ。
規則にのっとって、公正にお金がやり取りされて、音楽家の生活が潤って、よりよい作品が作られることは、
とても喜ばしいことだし、
そのために著作権法が必要で、より堅固にアーティストを守るための機関としてのジャスラックっていう側面だって、
あるにはあると思うよ。
でもその側面がもたらした結果はどうなの?
楽曲をがんじがらめにして、音楽を喜ぶ機会を奪い、リスナーから金をむしって。
それでいい思いをしてるのはアーティストでもリスナーでもない、ジャスラックさんやなんかの企業だけでしょ?

やっぱそんなんはおかしいよ。

おかしくないにしたって、すっげえ気分悪いよ。関わり合いたくない。どっかにいってほしい。見えないところに。

でも今は、そういうもんがメジャーで、常識で、

みんなが「そういうもんなんじゃないの~音楽って」って思ってしまうから、

音楽はどんどん「商品」としてしか扱われなくなっていくし、
そこでは喜びとかエネルギーのやり取りってほんっとに希薄で、
売る側の「聞かせてやってるんだから金を払え」っていう増上慢と、受け取る側の「金払って聞いてやってるんだから」という高慢さが蔓延しているように見える。

そんなところに「音を楽しむ」余裕なんてあるの?


音楽家の生活のために、それを支える仕組みのために、「著作権料が必要だ」って話はわかる。
そして、〈違法〉コピーの氾濫、Youtube・ニコニコ動画などの普及がその仕組みを根底から揺らがしていること、
それに苦しんでいる人がいることも、理解しなくちゃならんと思う。



ただ、今、この便利なネットのある世の中、
いかにジャスラックだのレコード協会だのが出張ったところで、流出と拡散は止められないというのが現状で、
そこに良し悪しを言ってもどうにもならないのです。
標語で「良心」を謳おうとも、何の効力もないと思う。
でもそれって、結局はこれまで音楽を商品としてしか扱ってこず、音楽家の存在を見えにくくした企業のもたらした弊害だよね?



その中でも、まつきあゆむさんが、

「タイムリーな話をすると、たった今1億年レコードをメールで申し込んできた人は彼女の分も買おうと2人分買っていいかわざわざ僕に聞いてきてくれた。そんなのコピーしてあげちゃえばいいのに。それって彼の心の中で「1億年レコード」の著作権を尊重してくれたからだよね。」

と言っていた中にある、「著作権を尊重」する気持ちってのが、
「自分の好きな音楽を自分も助けたい、支えたい」って気持ちだと解釈すると、

「それだよそれ!」  と思わずにはいられないのです。


音楽家とリスナーの関係を結びつけるのは、ある種そういう気持ちじゃないでしょうか。
で、そういう気持ちが、かつて当たり前のようにあった「尊厳」てもんをつくっていくんじゃないのかなー。

そういう話。
1億年レコード買いたいな。
でもこればっかりは親の金を使うのもな。
大学入ってバイトしたら、そのお給料で買いたい。
あたしも、あたしの力でこの音楽を支えたい。


♪まつきあゆむ「1000人Twitter」
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by mouthes | 2010-01-22 00:58 | footmarks