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皆殺し文学はやめだ

by mouthes

前門の虎、後門の狼【浅野いにおと花沢健吾】

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ついに!










1974兄さんのとこで「アイアムアヒーロー」の2巻が出ていたことを知った時の興奮と言ったらもう!
スピリッツは普段読まないから守りが手薄でね・・・気づきませんでしたよ。
まあ出てたの知ってたら年末に勉強できなかったからいけどね!ほんとだよ!勉強したんだからたくさん!

出たなー2巻。もちろん買いそびれていた1巻も一緒に買った。
いくら浪人中と言っても買うしかないんスよ、これは!

今をときめく青年誌の売れっ子である浅野いにおと花沢健吾ですが、
その特徴はまったく異なります!
というか、種は同じはずなのにこうも育ち方が違うかねという異なり方!
作品と作者の自意識が超密着していて、もうそれは「密接に関わっている」なんて他人行儀な言葉では表せないほど。
しかし浅野いにおはそれでいて淡泊というか、執着がないというか、あっさり醤油味。
一方の花沢健吾は超密着の文字通りどこまでが実体験でどこからが創作なのかわからないぐらい、くんずほぐれつのこってりトンコツ味。
もちろん好みで言えば花沢健吾が大好きでリスペクトでファンタスティック!!なわけですが、まあ好き好きです。



「ソラニン」と「虹ヶ丘ホログラフ」を読んで、「おやすみプンプン」は読んでいないんですが、
浅野いにおはもー女の子が可愛い。嫉妬。もう可愛いんだよばかやろう。
バンドやってるだけあるよ。さぞモテてきたんだろ?って思っちゃうよ。
しかしね、誰にでも自意識はあって、例によって虚しさや憤りの行き場はないわけで、
そういうものが嫌みなく作品になっている、女子供も読みやすい青年誌、というのが個人的な印象。


自意識や欲望は、なんだろ、そういうスタイルになってしまえば昇華されるというか、もう味は薄まる一方というか、
作品にする強いメッセージとしては諸刃の剣だと思うんですよ。
ブラックマヨネーズが自分たちの弱点を漫才に笑いを取っていくと、結果それでウケるのが当たり前、むしろそれで多少モテるようになるみたいな。
やっぱり薄れないメッセージは祈りや願いのように、理想を追い求めるところにあると思うから、
漫画家藤田和日郎は手放しでサイコーだし、好きな漫画が少ない時期もジャンプを買うわけです。



ところがどっこい花沢健吾。
正直なところ、この人の自意識は「ボーイズ・オン・ザ・ラン」で見尽くしたと思ってました。
だってそれほど情けなかったんだもん、主人公の田西!
人には言えない、哀れすぎて自分でも気づけないくらい無様で情けない姿を、これでもかと見せつけられて、
もうお腹いっぱいになってました。
見たくなかったの、もう。
もう全巻読み終わった深夜3時に過去の失恋総ざらいで思い出して泣くようなことしたくなかったの。
だから新刊を本屋で見かけても最初はスルーしてたんだけど・・・
ヴィレッジ・ヴァンガードで1巻がお試しで置いてあったから、おそるおそる立ち読みしてみたわけです!






これがメチャクチャおもろい。





画力がハンパじゃなく高いし、自分の持ってる空気(苛立ち、情けなさ、なんの困難もない日常)を描ききることにかけちゃ職人技と言いたくなるほど秀逸。
これ見よがしに綴ってこっちを冷めさせることがない、匠の語り!!!こんなこと言っていいのかな、まあいいか。
そんでその匠の語りが最高に生きる舞台をこの人は作り上げてしまった。
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」のあとに「アイアムアヒーロー」を読めばわかるけど、
おわーーーーーこうなるのかーーーーはなざわけんごーーーーーーと唸りたくなる変態ぶり!!!!
すげーよこの人すげーよ。


そんでね、これ読んでちょっと白けちゃった人がいたら申し訳ないんだけど、
単純に「花沢健吾すげえ」っていうだけの話だから、あんまり怒らないでね?
それにしても「アイアムアヒーロー」おもしれー。すげえー。
続き読みたいけど間飛ばすのが嫌でスピリッツ買えない。
よし、勉強しよ。
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by mouthes | 2010-01-05 13:29 | footmarks