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皆殺し文学はやめだ

by mouthes

ヴァージン・スーサイズ

自殺したくなるほどの閉塞感。
こんな言葉で思い出すのは中2の春くらい。

あたしにもたしかにあった。
世界は窮屈で退屈で、つまらなくて下らなくて「死ね!!」って思いながら過ごしてた。
自分が消えてなくなるか、世界に破滅してほしかった。

自分が一番かわいそうで、つまらない言いがかりみたいなことで自分を責め立てる周りの大人はみんな悪魔のようだった。

今思い返せば、そんなことしか思えない自分こそ、つまらなくて下らないなんて苦々しく言える。
だけどあの時の自分にはそれがすべてだったし、それを経なければ今私の中にある穏やかな心は生まれなかったと思う。

ただ、あんなモラトリアムはやっぱり美化されるものではないし、
美化できるほど距離のあるものでもない。
今だって、ちょっとふらつけば簡単に足を踏み入れてしまいそうなほど、あの甘美な閉塞感はすぐ傍にある。
だけどいま、自信を持って言えることがある。


自殺なんて、一番つまらない。


できるだけ自分を傷つけないためのぎりぎりの手段だとは思うけど、一番つまらねえよ。
何も生み出さない。何も変えない。一番影響力のない手段だよ。
自殺をしてこの世界から姿を消して残る影響力なんて、たかが知れてるんだ。
自殺をしてこの世界に影響力をもたらした人だって、確かにいる。
だけど、その人たちは、「生きたい」という強い意志のもとに死んだんだ。
「生きたい」「残したい」という気持ちしか、人を生かさないんだから。
死ねないで過ごす何十年が、どれだけ強く、濃いものになるか、想像してみればいい。

あたしは自分が気持よくなるためなら、きっと何だってできるから、


自殺なんて絶対にしねえ。


この映画自体はつまらなかったけど、あたしにこうした言葉を心に刻ませるくらいの影響力はやはりあるんだ。


まー、だから何?って思うけどね。
だって生きることの讃美に満ちた「月とチェリー」「ウエイトレス」のほうがよっぽどすばらしい映画だったしね。
by mouthes | 2009-03-31 09:41 | footmarks