映画「リバーズ・エッジ」で好きだったところ
・るみちんと観音崎くんの90年代感、幼さ、短絡的なところが表情を通して伝わって来たところ
・特に観音崎くんの顔つき
・るみちんのムチムチしてエネルギーが溢れる体とそこから繰り出されるサスペンスのなまなましさ
・二階堂ふみちゃんの裸と喋り方
・吉沢亮くんの実写とは思えないくらい美しい横顔
・釣りをしていた2人組の片一方がアメカジ具合といい喋り方といいさまぁ〜ずの三村さんにそっくりで、なんならもう一方にも大竹さんを意識してほしかったところ
・こずえちゃんの赤い口紅と赤くてダブダブのニット
・猫のかわいさ
・るみちんのデブのお姉ちゃんの演技(お姉ちゃんが登場した時の映画館の失笑がお姉ちゃんの惨めさとリンクしてしまってひどく残酷だった)
・エンディングとともに流れる小沢健二の「アルペジオ」(確実にあれから20年後の音楽として、リバーズ・エッジの汚れた川にとっての再生の海として響き渡っていた)
・「この頃は目が見えないから、手を握って友よやさしく」と50近い小沢健二が歌うところ
映画「リバーズ・エッジ 」の嫌だったところ
・「リバーズ・エッジ 」のフォントがダサすぎる
・劇中に挟まれる、登場人物たちに対する謎インタビューの質問の、あまりの陳腐さ(「あなたにとって愛ってなんですか」「生きていきたいと思いますか」などなど聞くに堪えない)
・「愛」だの「生きる」だのを安全地帯に生きているおじさんがキリキリした若者に聞いているという構図
・それに応える「生きていきたい」というセリフ
・おじさんが若い子になにかを言わせたがってる感
・ホテルに行ったあとハルナが観音崎くんに「観音崎くんていいよね、悩みとかなさそうで」というセリフ
・それが言えちゃうハルナだったらさっさと観音崎くんと別れられるだろ
・田島カンナが燃えた死体を見た時の、山田くんの笑み
・そこで笑うのが吉川こずえならわかる(山田くんは無感動を貫くべきでは)
・田島カンナが泣きわめくシーンがなかったこと
・所々では印象的で美しい場面に心奪われたけど、つなぎの流れていく描写の圧倒的VTR感(再現ドラマ感)
・パンフに載っていた監督インタビューの見出し(誰もがみんな、River‘s Edgeに立っている)(は?)
・役者自体に90年代感はあまりなかった(顔の造形も表情もあまりに洗練されていた)
嫌いなところが嫌いすぎて良い印象ではない映画ですが、
役者たちの演技や肉体は言語に絶するほど美しく、
監督や脚本の年齢が如実に現れてしまったことが悔やまれる、というのが感想です。
どうしても10代の子供達には見えなかった。
それは10代を思い出せない人たち、10代が美しい思い出になっている人たちが作ったからだと思う。
幼さ、危うさ、脆さではなく、予定調和が優っていました。
だからこそ「アルペジオ」は美しく響いた。
あれはかつて若者だった人の、老いを知った人の鮮やかさ、美しさ、現実離れした現実として見事に調和していたと思います。
こう書くと褒めすぎにも見えるけど、インタビューなどからこの主題歌は小沢健二がラッシュを観た後に作られたものだと知って、
正しく、と腑に落ちたのです。
この曲が生まれるために映画があった、そういう必然性を感じる美しさだったのでした。